前回からのつづき。
もう、
すごく今日寒い。
いよいよコートが本格的に
活躍する季節になってまいりました。
TRADING MUSEUM COMME des GARCONSと、
MOMAストアと、
あと書き忘れましたが
藝大学生による版画展も見ました。
こちらは純粋に版画というアート、
な感じです(でした)。
お次、
六本木ヒルズの53Fにある
森美術館にて行われている
「医学と芸術展」。
森美術館は私、
実は初めて訪れる美術館です。
これ、
想像してたのでは1時間ぐらいで
回れるかなぁと思っていたのと、
チケット1500円かぁ・・・
という不謹慎な思いがちょっとあったわけですが(笑)、
実際回ってみると全然違いまして、
じっくり見ながら回ってましたら
フルに2時間掛かって、
帰りのロマンスカーに乗り遅れそうになったぐらい。
1500円も適価といった感じ。
むしろちょっと安いかも?
でもギャラリーってだいたいそのぐらいのお値段よね。

この、
とんがりコーンの
とんがってないバージョンのような
形の建造物が入口。
入るとエレベーターと階段があって、
上ったところには53Fの美術館へ繋がっている
高速エレベーターと、
チケットカウンターがあります。
このチケットカウンターのデザインがかっこよかったですねぇ。
横長の、
文字が横にどんどん流れていくLEDパネル
(JASDAQっぽい感じの)がカッコイイ。
室内は暗めなので、
その流れる赤のLED文字が
印象的になって良いんですよぉ。

文字通り医学と芸術の展覧会でした。
中は3部構成となっていまして、
基本的にはすべて、
昔に描かれた絵画アートや書物、現代アート、
昔に医療で実際に使われた・あるいは
模型再現による道具の展示が中心。
現代アートでいうと私は
ダミアン・ハーストが気になっていて、
ダミアン・ハーストの作品も2点ぐらいあったと思います。
残念ながら牛の輪切り作品はありませんでした。
現代アートや絵画などの芸術と、
本物・模型再現による実際の道具の展示ということで、
美術館と博物館の双方の色を持つ
内容な感じでありました。
特に印象的に思っているのは、
個人的に好きなダミアン・ハーストの作品で、
ダミアン・ハーストのパートナーの
帝王切開時の手術室を精密に油絵だったかで描いた絵画。
すごい写真みたいで、
内容がどうのというよりもその精巧さに圧倒される感じ。
ここの公式ブログの一番下にその作品が載っています。
あと人体の輪切り。
人体の皮脂と水分を液状の何とかっていうものにすることで、
人体の永久保存が可能になった、
とか書いてありまして。
医学のそれとして展示されているのだと思います。
5mm厚ぐらいの輪切りになっています。いやーん。
なんかすごいグロテスクっぽいですが、
そんなにグロテスクなものではないです。
でも人によってはグロテスクかもしれません。
その作品が展示されているゾーンだけ、
入口に「ここから先は刺激的な作品が展示されています。」
みたいなことが書いてありましたから。
そうそう、
この「医学と芸術展」は、
芸術という面で見るのももちろん良いのですが、
人の生と死、人体構造など、
そうした人体の肉体面や医療という面から
見ることも想定されていますので、
先に申し上げましたとおり、
「芸術作品も置かれている博物館」に訪れるような感覚で、
見に行かれた方が良いと思います。
今回「確かに良いもの」を再確認する遠足と
わざわざある程度テーマを決めて訪れているわけでして、
今回のこの美術展は、
「本物」がそこにあるわけです。
例えばイギリスの軍隊がどこぞの国で捕虜されたときに、
足を負傷した兵士のために
自分らが乗っていた戦闘機から金属を取って、
それで義足にしたそれが展示されていたり、
1900年頃のエベレスト登頂時に
実際に使われた薬箱が展示されていたり、
ジョージ・ワシントンが付けていた歯とかもあります。
ジョージ・ワシントン?
クリントンだったかも。
半年ぐらい前
「一億人の大質問!?笑ってコラえて!」を
たまたま見ていたときに、
雑誌アクシスに載っていた
本物と見紛うほど精巧に作られた義手の写真を見て、
その世界に進んだ元多摩美学生のそれが放送されていましたが、
その義手も展示されています。
これがすごい!
シワ1つ1つというより、
肌のキメまで再現していて、
すごいリアルなんですね。
日本はこういうの、
技術力で作らないといけないと思わされるものです。
そのほか、
手術などの医療に関することが
図解で説明された古い書物や、
“生死”をテーマとしている現代アート
(スーパーマンも歳をとる)、
写真作品、絵画作品などなど。
こうして並べてみると結構盛りだくさんな内容。
盛りだくさんなので、
じっくり見てると2時間は掛かります。
足が疲れても大丈夫なように、
ベンチがあちこちに設置されているのでご安心を。
そこでダミアン・ハーストの作品見ながら
牛丼とか食べると怒られます。
「本物」の持つ強さってやはりすごいんですね。
それを写真に撮って雑誌に載せてあるものを見ても、
実際に“生”で見るのと情報量が全然違う。
本物だからこその、圧倒的な強さがある。
そして「確かに良いもの」ということで、
「本物を知る」とは、
「良いものを良いと思う造詣を養う」ということは
こういうことかもしれないと
思った作品が1つありました。
それは「ビフォー・アフター」。
作品タイトルであったかは忘れました。
これはB倍ヨコぐらいのパネルサイズで、
左半分と右半分にそれぞれ同一人物の
モノクロのポートレート写真(顔のアップ)
が並んでいます。
左側のポートレートは、
いわゆる普通のポートレート写真。
右はその人が眠っている顔のポートレート写真。
それらが5人分ぐらい展示されているんですね。
で、
これ何を意味するのかというと、
“生”と“死”なのです。
左側の普通のポートレート写真とは、
その人が生前のときに撮影されたもので、
右側の眠っている写真とは、
すなわちその人が亡くなった直後に撮られた写真なのです。
50代ぐらいのおじさん、
まだ生まれて間もないぐらいの赤ちゃん、
年を取ったおばあちゃんなど。
でも一見しただけでは、
とても死んだ直後とは思えない写真なんですね。
で、
よーく見ていると、肌が違うんです。
これはこの作品が言い表しているメッセージとは
異なるところを見ていると思うのですが、
生きている人と、
死んでいる人、
それはついさっきまで生きていた人であっても、
肌が違う。
肌の質感が微妙に違う。
もちろん生前と死後とで、
撮影間隔が多少なりともある分、
加齢による肌の差はあるでしょうが、
それを見越したとしても、
やはりちょっと違うんですね。
一見しただけでは分からないけれども。
モノクロ写真なので、
おそらくカラーで撮影すると
肌の色などが全然違うと思うので
スグ分かると思いますが、
モノクロであっても、
肌の質感でそれが分かる。
すなわち、
ある意味で、
「本物を知る」とは
こういうことなのではないかと、
思ったわけです。
生死を題材とした映画などはよくありますが、
今回のこの作品はひねりなく
ストレートにポートレートを撮影したものなので、
その分本物に近い
(もちろん本物ですが、実物ではなく写真であるという点で、本物に“近い”)。
その本物だからこそ分かる
ちょっとした質感の違いであるとか、
そういうことが、
「良いもの」が分かる造詣の深さとか、
モノの価値を見る造詣の深さにつながるのだろうと。
と、
いうことで、
この後さらに寄ろうと思っていたところがあったのですが、
せっかくこんな“本物”がいろいろある
展覧会に来ているのだからと見まくっていたら
2時間もつぶして電車乗り遅れそうになったので、
今回はここでおしまい。
パット見2月中ぐらいまで
森美術館でやっているみたいなので、
そうした生死に対する医学と美術・芸術に興味がおありの方は、
いや、興味が無くたとしてもお勧めです。
ちなみに、
本当に興味があんまりなかったのか、
そのとき近くにいた おばさまご一行は
「もう疲れちゃった、はやく帰りましょ」
って言ってたことは絶対、
僕たちだけの秘密だからね☆




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